粕屋町教育委員会の矜持

 26日「粕屋町町立小・中学校 学校説明会」が開催されました。例年ならPTAの役員、区長さんも一緒で100人ぐらいの中で経営方針を発表されるのですが、昨年より各小学校校区に学校運営協議会が組織され、そこで一足早く説明があったようなので、今回は執行部、議会議員に対しての説明会として行われました。

 

 教師による修学旅行の利酒問題など大揺れに揺れた学校があり、教育委員会の状況はその対応などでとても厳しい状況にあったと思います。そのさなか、学校運営についての説明会を開くことはかなり勇気のいることだったろうと思います。

 

 しかし、例年以上の内容であったような気がします。閉会の挨拶で教育長は「矜持」という言葉を引用され、各学校関係者の皆さん、教育委員会がしっかり後押ししますから「矜持」(自信、プライド)を持って頑張ってくださいと締められました。

 

 胸に厚いものがこみ上げてきました。今日の日を迎えるのにどれだけの葛藤があったでしょう。新聞にたたかれ、保護者からの問い合わせ、福岡教育事務所への対応、はたまた議会での説明、一般質問でも取り上げた議員もいます。

 

 そうした中で今日の小・中学校の説明会。

 

 この試みは今年で6回目だそうです。毎年各小・中学校の校長先生による経営発表とその翌年の4月には報告会が催されます。準備もさることながら、各学校の先生方にとって他校の事例をつぶさに見聞きすること自体、得られるものが多いと思われます。

 

 最初の年は不登校児が多いと、赴任してきてびっくりされた様子を話す校長先生がいらっしゃいましたが、今は当時に比べると不登校児は本当に少なくなっているようです。当時は数値で誇れるものがなかったかもしれませんが、子どもたちの学校図書館での年間読書数(今ではどの小学校でも一人平均100冊を超えている)を指標として上げておられる学校が多くて、嬉しくもあり、えっそればっかりと複雑な気持ちにもなりましたよ。

 

 学力が確実に年々上がった今、読書量のことは話題になりません。

 

 その後、2・3年は学力上がったことを誇らしく報告される方が多かったのですが、今は高いことが当たり前、その見極め、きめの細かな様々な配慮、仕組み、手立てを発表されています。

 

 粕屋町の教育委員会は決して評判は高くありませんでした。ところが今は特別支援教育を中心として、気になる子どもへの配慮、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、スクールロイヤーなど専門家の配置、学校支援員の配置も進んでいて、子どもたちが落ち着いて学べる環境になりつつあります。

 

 そんな矢先の不祥事。教育委員会の皆さんは本当に心を痛められたことでしょう。でも力強い教育長の言葉、心に染みました。「矜持」という言葉、私も心に秘めて頑張ります。

お骨折りありがとうございました。