未婚のひとり親にも寡婦控除

 6月定例議会の議案の中に、税条例の一部改正の議案が含まれていました。内容は個人住民税におけるひとり親に対する所得控除適用及び寡婦(寡夫)控除見直しというものです。全員賛成で可決でした。

 

 私は「しんぐるまざあず・ふぉーらむ・ふくおか」の会員です。何の活動もしていないのですが、年に4回届けられる会報を楽しみにしています。

 

 その会報の昨年12月号に、「自民・公明両党は2020年度与党税制改正大綱を決定した。この中で未婚のひとり親にも寡婦(寡夫)控除と同様、年間所得500万円以下なら所得税35万円、住民税で30万円の所得控除が受けられることが盛り込まれた」

 

という記事がありました。その内容が令和2年度の地方税制改正に活かされて粕屋町の税条例一部改正となったのでした。会報は以下のように続きます。

 

 2009年、3人のシングルマザーが日本弁護士会へ人権救済の申し立て。その後2012年の弁護士会調査結果で「法の下の平等」をうたった憲法14条1項違反との結論が出て7年の2019年にやっと見直しの動き。同じひとり親を死別、離別、未婚と法律婚かどうかを中心に、差別してきたことが改善され、ひとり親と子どもが生きやすい社会に一歩近づいたことを喜びたい、と記事は結んでありました。

 

 この会報と前後して私は次の記事も目にして大いに納得したものでした。それは昨年12月19日の毎日新聞の「政治プレミア」の、自民党の代議士稲田朋美氏に関する内容です。

 

 稲田氏は「女性議員飛躍の会」の共同代表で、NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の赤石千衣子理事長の話を聞いて「全く同感なので、応援したい」と。与党の中には反対意見も多かったようですが、この女性議員らの存在が大きく、また内容も、昨今の社会の情勢から理にかなったものとして受け入れられたのだと書いてありました。

 

 2009年からのシングルマザーたちの地道な闘い、2019年暮れ、中央の大物女性政治家の動き、そして本年粕屋町での6月の議案上程。政治の流れの一端を見る思いで、とても興味深く感じました。

 

 適用対象者は全国で7~8万人だそうです。粕屋町にもこの法律改正を喜んでおられる方が何人もいらっしゃるのではないかと、賛成ボタンを議場で押すときに嬉しくなりました。