3月議会終了②町立保育所建替えに着手

 3月議会で2番目に注目すべきことは、町立保育所の建て替え問題に箱田町長の決断で建替え設計委託料、2,540万円が示されたことです。

 

 保育所に関しては小泉改革により、国が民営化を進めており、公立で建て替えても従来あった補助金が今は出ません。

 

 民間で建てると、町は12分の1の費用を負担するだけで保育園を増やすことができるということで、町は過去に3度民間へ移譲、建替えを提案しました。

 

 ところが、その3度とも保護者を中心とした反対運動が起き、断念しています。

 

 今回の中央保育所の建て替えに関しても3年半前に、仲原保育所とともに民営化する計画が突然浮上。

 

 3年で2か園建て替えるという計画が性急だったこともあり保護者から猛反発が起き、1か月半で9000筆以上の反対署名が集まり請願が出されました。

 

 その後、議会は町立保育所の建て替えに関する特別委員会を組織し、対応しました。2年前の令和元年に町に提言書「老朽化した町立保育所の建て替えについてー保育・子育て支援センター構築の視点からー」を出し、その1年後には改定案も出しました。

 

 町執行部はその流れに応えました。

 

 子育て支援施設の整備は町長の公約でもありますが、公立で独自に建替えに着手するということは、多分福岡県ではこの20年例がないと思います。

 

 全国的にも、少子化の自治体は別にして、粕屋町のように待機児童の多い自治体はほとんど民営化による建替えが一般的です。

 

 保護者が議会を動かし、町を動かしたのです。

 

 昔から粕屋町は子育て支援を充実させてきました。福岡県内で公立の保育所、幼稚園が4つの各小学校校区にあるということ自体、画期的で唯一無二でした。

 

 保育所、幼稚園業務に従事している保育士、幼稚園教諭、健康づくり課の職員が連携して子育て支援に当たっていて、結果的に特別に支援を要する児童・生徒が多い小・中学校になっています。

 

 この流れを継承し、更に充実させたものにするという考えのもとに箱田町長は決断されたものと思います。

 

 一歩前進です。ただ厳しい財政事情もあり、多くの町民に皆さんが納得できる施策を盛り込まないと、反感を買うだけになるでしょう。

 

 現在粕屋町には11の保育園があり、そのうちの3園が町立です。なぜ公立としての子育て支援施設が必要なのか、議会でこれからも研究を進め提言を出していきたいと思います。

 

 保護者の請願議会特別委員会設置提言書提出予算化 

 

 議会と町民が一緒になって可能になった老朽保育所の町立による建て替え。粕屋町議会史において画期的なページを開いたことになると思います。