「絶望のビルマ戦線」と司令官の道徳的勇気の欠如

 

 8月15日のNHKの番組「絶望のビルマ戦線」のことが脳裏から離れません。自分の気持ちを整理するのにとても時間がかかりました。考えていてもしようがないので、ひとまず今の思いを綴ります。

 

 5年前の8月16日付の私のブログ記事「記録が示すインパール作戦」は2013年から現在までで、最も多いアクセス数の記事です。粕屋町内向けの読者を想定しながら書き込んでいるささやかなブログですが、それでもこんなに反響があるとは。

 

 今回の番組はその続きのようです。インパール作戦の戦死者3万人、この番組はその後の疲弊しきった日本軍の、しかも終戦を知らされないまま9月末までの1年間の戦いの記録です。戦死者は軍属も含めて総数10万人ともいわれています。

 

  番組でイギリス軍司令官が日本軍の体質を「日本軍指導者には根本的な欠陥がある。それは道徳的勇気の欠如である。計画が失敗し間違いを起こしたときに、練り直しが必要であることを認める勇気がない」と指摘しています。

 

 イギリスで見つかったこのフィルムがあったればこそ明らかになった新事実。

 

 軍の上層部は、無謀な作戦と知りつつ強行し、自分たちは他の作戦のために引き上げる、残された者の命は顧みられない。また、アジアを開放し、共存共栄する大東亜共栄圏を大義名分に戦ったはずが、戦争末期、各地で抗日組織が作られ、その反撃も日本軍の敗戦に一役買ったという事実などが少しずつ明らかになりつつあります。

 

 平和憲法を守る、憲法改正さえしなければ平和は続くと思うのは一つの幻想かもしれないなと私は最近思うようになりました。もっとアクティブにならなければ、と。

 

 アクティブとは?

 

 歴史を過去のものとして記憶の中にとどめておくのではなく、今を生きるものとして、一つ一つの事象に目を凝らし、過ちがあったら指摘する、その勇気を持つことががアクティブな生き方になるのではないか、と思うようになりました。

 

 過去から学ばないものに未来への道はない。

 間違ってもいい、ありのままを認め、そこから出発を。

 

 この国の未来に希望を持ちたいのでこんな風に結論付け、自分へも言い聞かせています。 

 

 番組の内容から写真をアップさせていただきました。イギリスの資料からなのでインドやビルマの様子がわかり、そしてまたミャンマーの今とつながっているので、NHKスペシャル(→こちら)で皆様も是非ご覧ください。