コンセプトは生活(くらし)とともにある図書館

 2月12日にフォーラム視聴覚室で図書館フレンズ粕屋主催の講演会を実施しました。

 講師は筑後市立図書館館長の一ノ瀬留美さん。予想以上の内容で、仲間から褒められました。「本田さんすごいね、たったこの1枚の紙情報からこのような講演会を開くとは」と。私もそう思います、私の目利きってすごいなって?!

 

 ちょっと自慢しすぎましたが、講演者と聴衆の思いが一つになる講演会はそうないのです。主催者の意図が明確でなかったり、講師の力量、また問題意識の相違などの参加者のありようも大きいのです。

 

 今回の講演会のタイトルは「図書館の公平性と可能性~すべての取り組みは一人ひとりに向き合うこと~」。このタイトルで参加者が何人あるだろうと迷いましたが、どうしてもこのタイトルで実現したかった。それで関心を持ってくださるであろう方に参加を呼びかけました。実際は30名ちょうどの聴衆。視聴覚室で机を置き二人づつ座っての人数でちょうどよかったです。

 

 講師の要望でシールで作った名札を胸につけ、途中から質問形式で会が進みました。一ノ瀬さんが、参加者の目の色が途中からだんだん変わってきたと感想を述べておられましたが、私も司会をしていて実感しました。

 

 参加者の心をつかんだ大きな要素はが図書館が地域の人々の生活に役立つためにあるものだということをいろいろな仕掛けで、市民の皆さんにわかってもらおうとし、実際にそれによって来館者がうなぎのぼり(ちょっと大げさですが、それくらい今の図書館の現実は厳しいのです)に増えているのです。

 

 粕屋町の図書館も例外ではありません。粕屋郡内の図書館は福岡市東区の登録者の利用が高いという条件に恵まれていましたが、千早の並木ホールに福岡市立図書館の分館ができ福岡市民の足が遠のきました。それにプラスして若い方のスマホ依存。なんでもスマホからの情報で手軽に済ませてしまう、そんな世の中のありようが図書館の運営に影を落としています。

 

 でもどんなに世の中が電子情報化しても「紙媒体」による学びは必要なのです。税金よる運営なので誰にでも公平に公務員による司書が厳選した情報の宝庫を、しかもそれは活かし方次第でどんな風にも使える、そんな公立図書館の一例を紹介していただいたのです。実際の取り組みの紹介は次回で。