子どもは子どもの中で育つ

 研修会「インクルーシブ」ってなあに? が終わりました。


 私の夏も終わったようなさわやかな気持ちです。

 

 今回「インクルーシブ」というテーマで研修会を開きましたが、その概念の実行はとても難しいのではと思われます。良いと分かっていても、環境を整えるには多額の予算が要るので、多くの教育・自治体関係者は躊躇、言葉を濁します。

 

 粕屋町は障がい児教育に力を入れ、特別支援学級の在籍人数は県内トップです。令和元年の4小学校の通常学級児童数は全体で3226名、特別支援学級在籍数は326名です。

 

 10%の小学生が特別支援学級に在籍していることになります。人口が増え、それに従ってこのまま支援学級を増やしていいものか、また増やせるものなのか、または、別の道もあるのではという観点から今回の研修会を開きました。

 

 講師はお二人、そのテーマは

  • インクルーシブ教育という言葉がなくなるために  服部美江子さん
  • 子どもは子どもの中で育つ            神村美砂子先生

 服部美江子さんは重度の障害を持った方の保護者で「認定NPO法人障がい者より良い暮らしネットの」代表、神村先生は現役の福岡市の小学校の先生。障害児教育の資格を持っておられ、当時の養護学校、また現在は普通学級の担任、そして特別支援級を受け持たれた経験もおありです。

 

 お二人は様々な具体的な事例を通してテーマに沿ったお話をしてくださいました。それは経験者だけが持つ強い確信に満ちた言葉の数々でした。

 

 質疑応答も活発で、それぞれお話しに30分、質疑応答10分、それを2回、最後に全体としての意見交換に40分近く取りました。参加者が話す時間を多く取りたいという気持ちもあっての時間配分でしたが、それでも足りないくらいでした。結果的に講師の講演時間併せて60分、質疑、意見交換に60分という内容になりました。

 参加者25名。感想、今後の取り組みアンケート15枚。様々な団体からの参加もあり今後の粕屋町の方向性へも話が進みました。

 

 最後は大空小学校のドキュメント映画「みんなの学校」の上映会を粕屋町でもという意見まで出ました。講師のお二人の進めもあり、これは検討すべきと思いました。

 

 たくさんの事例、たくさんの考え方、そして先進自治体、先進国の事例も学び合い、粕屋町の進むべき道のヒントを見つけたいと思わされた有意義な2時間でした。